戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣キグルミ1。6

夏。酷暑。巨大化したマンタロウは、怪獣コドモノユメを倒すと、空高く飛んで消えて行った。

東京駅、通路にある貸しロッカー。

ここに、いつの間にか、縮小したマンタロウが舞い降りた。何をするつもりなのだ。時同(おな)じくして、縮小した怪獣キグルミもいた。こいつも、ここで何をしているのだ?

マンタロウ「おはようございます。暑いですねー。あたし今、そこで怪獣を倒して、仕事が終わったところなんですよー」

 マンタロウは、カギでロッカーを開けて、人間の男性が着るジャージを取り出した。

怪獣キグルミ「私もね、先ほど、銀座で暴れてきたところ何ですよ。街を破壊するのは、私の主義に反するんですが、上司の命令だから逆らえなくてねー」

マンタロウ「お互い、平社員は大変ですねー」

 マンタロウは、背中にあるジッパーに右手を伸ばした。ジッパーにヒモがついている。それをつかもうとしているようだ。ナカナカつかめられない。

マンタロウ「済みません。このジッパーを、下げてもらえませんか」

怪獣キグルミ「あー、いいですよ」

 そこへ、小学生の子供2人を連れた母親がやってきた。2人の様子を目撃してしまった。

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