恋しても良いですか?
【5】認めたくない気持ち。
その日から仕事で結構忙しかった。
病院にも行かなきゃいけないけど、仕事を理由に逃げてた。
でも、確実に病気が進行してるのは、自分でも分かってた…。
心臓が痛くなる事が増えた。
痛み止めとか薬も切れてきたので、薬をもらうためにも病院に行かないといけなくなってきた。
終業式の日…学校に来たものの、式には出ないで屋上に居た。
ここに居ると落ち着くから…。
今日は学校が午後までだから、病院の予約も午後からにしてある。
私はこのまま式やその後のちょっとした先生の話が終わって皆が帰るまで、ここに居ようと思っていた。
「あーっ、やっぱりここに居た。」
声がして、屋上の入り口のドアの方を向くと、南郷が立っていた。
まだ、式終わってないはずなのに。
「何でここに?
終業式は??」
「今日に限って遅刻しちゃってさ。
もう仕方ないかって思って。
何となく碧井さんもここに居る気がしたし。
ほら、途中からとか入って行きにくいじゃん??」
南郷はこっちに歩いて来つつ、特に反省した様子もなく、あっけらかんとそう言った。
真面目だと思ってたのに、意外と馬鹿だなと思えて、何だかあほらしくなった。