恋しても良いですか?
【8】アニの想い。



家に帰って着替えてから、アニに車で送ってもらい事務所に行くと、明日と明後日は仕事が入っていて、学校には行けそうになかった。


晶と明日も話したかったのに…。



「李緒、どうかした?」
「んー。
明日も明後日も仕事いっぱいあるなぁって。」
「珍しいな。
お前が仕事あって残念そうにするなんて。

李緒、あいつの事好きなのか??」
アニは突然そんな事を聞いてきた。


少しアニからそんな事を聞かれて、面食らった。


「分からない。
気にはなってる…けど、恋なんてした事ないし。

優しくされるの、慣れてないからかもだし。」
でも、私は今の自分の正直な気持ちを話した。


「ドキドキしたりするか??」
「たまに…穏やかに笑った顔を見せられると。」
私は少し晶の事を思い浮かべつつ、そう答えた。


「好きなんじゃないか??」
「そうなの?

…でも、駄目でしょ??
さすがに、私が恋するなんて。」
「何で?
兄としては寂しいけど、お前が幸せならすれば良いだろ。」
少し戸惑い気味に答えた私に、アニは何て事ないようにそう言ってみせた。


でも、分かってる。
気を遣ってくれてるんだって…。







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