恋しても良いですか?
【12】心配。
―晶side―
李緒と屋上で少し話して、先に帰って来てから結構経った。
3限目になっても李緒は戻って来ない…。
今日、天気良いからあのまま屋上で寝てるのかな?
そんな事を担任教師の授業の話を微かに聞きつつ考えていると、突然学校の敷地内に救急車がサイレンを鳴らしながら入ってきた。
クラスの奴等も全員校庭側の窓際に集まってきて、担任はとりあえず皆に席に着くよう呼び掛けている。
だが、誰も耳には入ってないようで窓際から動くものは居ない。
すると、教室に急に教頭が入ってきて、担任に何か耳打ちして、2人ともすぐ出てってしまった。
不思議に思っていると、より一層窓際に集まっていたクラスメイト達が騒がしくなった。
どうやら、何かの理由で救急車で運ばれて行くであろう人物が、ストレッチャーに乗せられて校舎から出て来たのだろう。
俺もちらっと見てみる事にした。
李緒?
ちらっとしか見てなかったけど、陸斗先輩もさっき出てった担任も居る。
何となく、きっとそうだと確信した。
俺は急いで教室を飛び出した。