恋しても良いですか?
【14】恋人への秘密。



それから、少し話していると、小島先生が私と夜白とアニの鞄をわざわざ持って来てくれた。

晶は先生に言われ、渋々先に帰り、入れ違いで私の着替えを持ったアニが病室に入ってきた。


今日は病院に泊まる事になっちゃったみたい。




「なぁ、碧井。
本当にこのままの生活続ける気か?」
先生は晶が帰って暫く経ってから、そんな事を聞いてきた。


アニは黙って聞く気でいるらしく、今のところ何も言わない。




先生は私の病気の事も仕事の事も知ってるから、今日の事があって、余計に心配を煽ってしまったんだと思う。




「私はそのつもりでいます。
出来る限りの事はしたいので…。

でも、その時が来ても、誰にも言わないでください。」
「誰にもって、南郷の事か?」
「先生、鋭いですね。

私、後悔しないように今を生きてるつもりです。


でも、もし後悔するなら、晶の事だと思うから。」
「……付き合ってるのか?」
先生は私の言葉で悟ったのか、聞きにくそうに聞いてきた。



「はい。
初めは受け入れる気なんか全くなかったんですけど…。

自分の気持ちに嘘つけませんでした。」
「俺はそうなると思ってたぞ。」
私の後に続くように、アニはそう突っ込んだ。


「碧井、お前止めなくて良いのか?」
先生はアニの方を向いて、そう尋ねた。








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