恋しても良いですか?
【18】最初で最後のクリスマス③。
少し小さめの洋食屋さんに入ると、小さめのクリスマスツリーが可愛く飾り付けしてあった。
私はお店を見渡して、すぐに気に入った。
「いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか?」
小柄な可愛らしい男の店員さんがやって来て、私はオーソドックスなオムライス、晶はちょっと難しい名前のパスタを頼んだ。
「李緒、何か慣れてるっぽいね。」
「そう?
まぁ、仕事の後に外食ってのが多いしね。」
「そういえばさ、叔父さんの仕事って、何やってんの?」
注文した料理が来るのを待ちつつ話していると、晶がそんな事を聞いてきた。
「えっ、あぁ。
えっと…IT系?かな。」
「そうなんだ。
凄いな。
じゃあ、李緒は何の手伝いしてんの?」
「えっ、えっと…お茶汲みとかコピーとり?」
私はどう答えて良いのか分からなくて、適当に思い付くままに話した。
「へぇー、偉いな。」
「そうかな?ありがとう。」
晶はそれでも信じてくれたみたいで、ホッとした半面、何だか申し訳なかった。
晶…本当の事言えなくて、ごめんね。
「お待たせしました。」
店員さんがまず先に晶が頼んだパスタを目の前において、次に私のオムライスも目の前に置いてくれた。
私達はいろんな取り留めのない話を死ながら、それを食べた。
ちゃっかり食後のデザートも食べて、お勘定して店を出た。
お金はどっちも払うって聞かなくて、レジの前でちょっともめて、結局割り勘って事にした。
まぁ、まだ晶は納得してないみたいだけど。
私も奢ってもらうのは苦手で、そこは譲れなかった。