恋しても良いですか?
「李緒。
あのさ…、まだ時間ある?」
店を出て、少ししてから、突然晶がそんな事を聞いてきた。
「あるけど?」
「そっか。
ちょっと連れて行きたいとこあんだ。」
「うん、分かった。
何処?」
「内緒。
とりあえずついてきて。」
何処に行くのか気になるけど、とりあえず頷いて晶の後に続いた。
少し歩いてると、住宅街に入って、家々に囲まれた小さな公園の前で止まった。
公園の中の植物とかがライトアップされていて、凄くその灯りが優しくて綺麗だった。
「綺麗…。」
私は感嘆の声をもらした。
「だろ?
ここの公園、俺の家の近くで、よく通るんだけど、毎年町内会の人達が協力して飾り付けしてて。
毎年この季節、ここを通りかかる度に、いつか大切な奴が出来たらここに連れてこようって思ってたんだ。」
晶もその灯りを見つめながら、私に話してくれた。
「さ、中に入ろっか?」
そう言って、私の手を掴むと中に連れてってくれた。
「ありがとう。」
「ううん。
ちょっとベンチに座って話そっか。」
「うん。」
私達は公園の端の方に置かれている2人掛けのベンチに座った。