恋しても良いですか?
「あっ、李緒。
ちょっと目を瞑って、手を出して。」
晶が突然何かを思い出したようにそう言ってきたので、私は言われた通りに目を瞑って、手を出した。
すると、何か小さな物が手の上に置かれた。
何だろう?
「目、開けて良いよ。」
晶の言葉を聞いて、私はゆっくりと目を開いた。
手の上に目を向けてみると、小さな箱が置いてあった。
「何?…これ。」
「プレゼント。」
「えっ、ごめん。
私、用意してない…。」
私は慌てて晶に謝ったけど、晶は特に気にした様子もなく、『良いから、開けてみて。』と言った。
私は小さく頷いて、ゆっくりと箱を開けると、中にはブレスレットが入っていた。
手にとってよく見ると、ブレスレットには小さなプレートが付いてて、そこには《Rio&Akira》と2人の名前が刻んであった。
「これ…。」
「プレゼントなんてするの初めてで、何が良いのかよく分かんなかったんだけど、ずっと付けてられる物が良いと思って。
名前も彫ってもらったんだ。」
私は晶の言葉を聞いて、嬉しかった。
でも、あとどれくらい一緒に居られるか分からない。
「本当にもらっちゃって良いの?」
私はいろいろ考えながら、晶にそう聞いた。
「当たり前だろ?
李緒にあげたくて用意したんだから。」
「でも、私何も用意してないんだよ?」
「そんな事気にしなくて良いって。
俺がしたくて、してる事なんだし。
李緒が俺と付き合ってくれて、こうして一緒にクリスマスを過ごせるだけで、俺は幸せなんだからさ。」
晶は私にそう笑いながら話してくれた。
私はそれが嬉しくて、どうしても私も幸せな事伝えたくて自分から晶に抱きついた。