愛してるよと言われたくて

8月、私は心療内科に通い始めた。


きっかけは、父の一言だった。



「つかさ、お父さんと一緒に病院に行かないか。」



声をあげて泣いた。



希望の光が見えた。
その言葉が1番相応しいと思う。


布団に包まったまま、私は何回も頷いた。

そして、

「お父さん、助けて」


そう言った。



「大丈夫、治るよ。ゆっくり治そう。」



ただ、それだけ言うと父はゆっくりと私の部屋のドアを閉め、階段を下りていった。





私は嬉しかった。



この状況から抜け出せるかもしれないこと。


家族が私を守ってくれようとしてくれていること。



涙が止まらなかった。








でも、
その数分後、
リビングでは母の奇声が響いていた。
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