愛してるよと言われたくて

父は入退院を繰り返した。


調子がいいときは仕事に行っていたが、


悪いときは病院に戻っていた。





私は普通に学校に行った。



普通に帰った。




普通に過ごした。






母との会話は0に近くなった。





母は私を避けていた。




今思えば当たり前の話かもしれない。



家に病人が二人居る。



一人は死を目前にしていて、



一人はいつ引きこもるかわからない。






辛かったと思う。





でも、残念ながら、


当時の私はそれが理解出来なかった。



むしろ、母への憎しみは倍増した。





それと同時に、

愛してほしい



そう願っていたんだと思う。





そんなひん曲がった感情を、
ぶつけるところが無い私は、



非行という形で


家族や世間に示そうとする。
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