京都マーブル・ラブストーリー

思わずアタシは腕を思い切り何度も振る。

「なにやってんねん?」


「振ったら少しでも腕時計の電池復活するかなと思て…」


「アホか」

アタシは言い返すこともできずそのまま黙り込む。

そしてそんな落ち込む表情を見て彼は笑いながらアタシの頭をぽんと叩く。


「ごめん…」


アタシは頭に手をやりながら
大きな手。
やさしい手。

さっきの人の手とは全く違う、
そんなこと思った。



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