京都マーブル・ラブストーリー

「うん、ごめん。
目覚まし時計の電池切れてていっつも買うの忘れるし。
思い出した今買わへんと!
すぐ戻ってくるし」


リノは一気に話して傘を閉じ、
アタシの返事を聞くこともなく近くの店に入っていく。


「あ、もう…」

アタシはため息ついて仕方なくその店の軒先で彼女が帰って来るのを待つ。



ちょっと小降りになってきたかな。

見える景色はマーブル色。

雨粒が周りをぼやかしているせいかなんとなく幻想的。


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