天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
だが、そんな努力にもかかわらず。

「おはようございます、皇帝」

ラエクスが朝の挨拶に訪れる。

「うむ、いい朝だなラエクス」

冷静を装いつつ、小鹿のようにビクビクしている遥。

ラエクスもまた、遥にとっては要注意人物の一人だ。

彼は天神学園の関係者全てのパーソナルデータを保有している。

それは遥も例外ではなく、どこで仕入れてきたのか遥の正体をも把握している節があるのだ。

「ところで皇帝…」

抑揚のない声で呟くラエクス。

「潜入任務は順調ですか」

(言うなっつーのぉおぉおぉおぉおっ!)

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