天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
心臓に悪いラエクスの発言を何とかやり過ごし、胸の動悸を鎮める遥。

だがその動悸もおさまらぬうちに。

「今朝は顔色が悪いですね、皇帝」

「うひぃいぃぃいぃいぃいぃっ!」

背後から穹に声をかけられ、心臓が16ビートを刻む。

「どうしました?皇帝」

クツクツと笑う穹。

明らかにわざと気配を消して背後をとったと思われる。

「お、お前はタチが悪いな、穹」

辛うじてポーカーフェイスを崩さないものの、尋常ではない汗が遥の頬を伝う。

「またまたご冗談を、皇帝。戯れが過ぎますよ」

からかいの色さえ浮かべる穹の笑顔に、遥は心労が祟って倒れてしまいそうだった。

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