天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
(最悪の朝だ…)

穹が去った後で机に突っ伏し、ゼェゼェと呼吸を荒げる遥。

そんな彼に。

「よぅ、皇帝」

声をかけたのは龍太郎だった。

目下の所、遥が最も恐れる人物。

何故なら。

「ちっ…相変わらずだな…あんたの前に立つと体が萎縮しやがる…気配だけで呑まれてしまいそうだぜ」

何を勘違いしているのか、龍太郎は遥が『天神学園最強の男』と思っているらしかった。

「だが見てろよ?」

龍太郎は不敵に笑う。

「今にあんたの遠い背中に追いついてやる。そしてこの拳であんたをその玉座から引き摺り下ろしてやる…覚悟してろよ、『最強の男』!」

(サイキョウッテナンデスカッッッッ!!)

恐怖の余りカタコトになる遥だった。

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