天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
(え、龍太郎が?)

ラエクスの言葉に遥は驚く。

あの頑丈だけが取り得のような龍太郎が目眩で倒れるとは。

日々の鍛錬により、彼の肉体は病魔すら寄せ付けないような鋼の如きものとなっている。

考えられるとすればオーバーワークによる疲労くらいしか思い浮かばないが…。

とにかく気になる。

遥達は二時間目の終了と同時に、1年のクラスに向かってみる事にした。

「あ、皇帝、ラエクス先輩に穹先輩も」

天眞が沈痛な面持ちで三人を出迎えた。

「龍太郎の容態はどうなのですか」

ラエクスが言う。

言葉に抑揚こそないが、彼の事を案じているのは疑いようがなかった。

「…授業の途中で、突然席から崩れるように床に倒れたの…きっと私達のせいだよ…」

今にも泣きそうな顔で天眞は俯く。

「最近毎日のように早朝と放課後に、私と迦楼羅で龍太郎の勝負の相手してたから…」

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