天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
「クミヤンが責任を感じるような事はしていないのじゃ」

迦楼羅が口を挟む。

「龍太郎の奴、過度な肉体酷使はいかんとあれ程言っておいたのに言う事を聞かんかったからの。それに勝負の相手といっても、ほんの稽古をつけてやる程度じゃ。別にわらわ達が痛めつけておった訳ではない」

「要は丹下君の考え無しが原因という訳ですか」

穹が呟く。

毒舌なようだが的を得た意見だ。

「何にせよ、少し見舞っておいた方がいいな。龍太郎は保健室か?」

「うむ、今はベッドで大イビキじゃ」

遥の言葉に迦楼羅が頷いた。

…只のオーバーワークなら、十分な休養と栄養補給で回復する。

元々頑丈な龍太郎なのだ。

復帰も早いだろう。

この時は誰もがそう思っていた。

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