天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ

とても見舞いに向かっているとは思えない賑やかさで、保健室の前にまでやってくる面々。

「丹下、入るぞ。具合はどうだ？」

遥が保健室の引き戸を開けると。

「あら？」

保険医の女性がスラリとした足を組んだまま、事務机で書類を書いていた。

天眞がベッドの方を覗くが。

「…龍太郎いないよ？」

空のベッドを確認し、彼女は他の面々に告げる。

「失礼、教諭。丹下 龍太郎という生徒が保健室で休んでいた筈だが…？」

遥が保険医に訊ねるが。

「彼なら教室に戻ったんじゃないかしら？私が保健室に来た時には、もう誰もベッドにはいなかったわよ？」

そんな返答が返って来た。