天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
狐につままれたような気分のまま、一行は保健室を出る。

「…具合が良くなって戻ったのではないでしょうか」

ラエクスが言う。

「それはおかしいですね。七力さんも玖宮さんも、丹下君にはあれから会っていないのでしょう?」

穹の言葉に二人は頷く。

「ならば学園内をほっつき歩いておるのかの?」

迦楼羅が天眞に告げる。

確かに龍太郎の性格上有り得なくはないが、天眞は何か違和感のようなものを感じずにはいられなかった。

「……まぁいい。具合が良くなったのならば、午後の授業には顔を出すだろう。教室に戻って待っているといい」

遥の言葉でここはとりあえず納得し、各自それぞれの教室へと戻っていった。

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