天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
しかし、昼休みが終わり、五時間目が終わり、六時間目が終わり。

とうとう放課後になっても、龍太郎は教室に戻ってくる事はなかった。

教室の彼の机には、鞄が残ったまま。

靴箱にも彼の靴が残っている。

下校したという訳ではなさそうだ。

「どこ行っちゃったんだろう、龍太郎…」

いよいよ心配になってきたのか、天眞が不安げな表情を見せる。

「単純馬鹿じゃが、いい加減なところは見せなかったからのぅ…」

迦楼羅も姿を見せない龍太郎に解せないといった様子。

「何か心当たりはないのですか?彼の行きそうな場所、立ち寄りそうな場所など」

ラエクスが言うが。

「それがわかるならば、とっくに彼を発見できているでしょう。少々不可解ですね…」

穹が顎に手を当てて思案する。

「……」

遥も腕組みしたまま黙考していた。

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