天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
穹の説明を否定する事なく。

「じゃがその『オーラにあてられた』状態という奴が厄介での」

迦楼羅が歯噛みした。

「あくまで発現するのは潜在的な力のみじゃ。肉体的には影響を受けるが、未熟な精神は何ら変化しない…龍太郎のような精神修養の足りぬ奴は、肉体ばかりが力を得て、精神がその力に追いついていない…結果として今のような暴走した状態になった。今の龍太郎は力だけが一端の只のケダモノじゃ」

迦楼羅達の影響によって引き出された潜在能力を、コントロールできない状態。

強力な武器を持った、自制心のない子供も同然という訳だ。

「わらわには、あ奴を止める責任がある」

一歩踏み出す迦楼羅。

「それなら私だって!」

天眞が声を張り上げる。

「ならば」

ラエクスが呟いた。

「こんな時こそ自分の兵器としての力が役に立つ筈です」

< 125 / 152 >

この作品をシェア

pagetop