天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
「やはり他の惑星から来た人はいいものを持っていますね」

穹のその言葉にハッとする遥。

「お前…俺の正体を…?」

「何を今更」

口元に手を当て、穹はクツクツと笑った。

「確かに僕は非戦闘要員ですがね…それを補って余りある頭脳があるんです。何しろ天才ですから」

…そうだ。

穹にも遥にも、迦楼羅や天眞、ラエクスのような戦闘力はない。

だが、何も出来ない事はないし、何もしないなど有り得ない。

彼らだってこの天神学園を愛している。

龍太郎を仲間だと思っている。

彼らを救う為になら努力は厭わない!

「天神学園の生徒諸君!」

龍太郎の標的にされる事も恐れず、遥が学園中に響き渡るような声で叫ぶ!

「諸君らの身の安全は、この皇帝水無瀬 遥が責任もって守り通す!安心して安全な場所に避難するがいい!」

その言葉に、混乱して狼狽しきっていた生徒達が歓声を上げる。

「…見事な演説ですよ、皇帝」

傍らで告げる穹に。

「…当然であろう」

不敵な笑みを浮かべながら、遥はコントローラーのスイッチを入れた。

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