天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
障壁が学園の敷地内を覆い、外界と隔絶する。

これで少々派手な戦闘を繰り広げても問題はないだろう。

「皇帝の惑星の科学力には驚かされる」

ラエクスは学園内を移動しながら、そんな独り言を呟いた。

彼は現在、学園の屋上へと向かっている。

学園内のどこでも見渡せる絶好の狙撃ポイントだ。

そこから狙撃を敢行し、龍太郎の足を止める。

何も射殺しようという訳ではない。

が、足の一つも撃ち抜かなければならないだろう。

「学園の生徒達を、皇帝を守る為です」

自分に言い聞かせるように口にするラエクス。

…隠密任務を目的に開発されたウォーロイド。

その人工頭脳には任務行動が優先とプログラムされている。

任務達成の為には、ターゲットを殺害する事すら厭わない。

しかしこの天神学園での生活を経て、ラエクスには『例えターゲットであろうと不必要な殺傷はしない』という感情がプログラミングされていた。

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