天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
「丹下 龍太郎じゃったの、お主」

床に這い蹲る龍太郎に、迦楼羅が言う。

「『迦楼羅』を知っておるか?」

「あぁ…?…てめぇの名前だろ…?」

床に叩きつけられた痛みに顔を顰める龍太郎。

「たわけ。これじゃから学のない者は…」

迦楼羅は呆れたように溜息をついた。

…迦楼羅。

正確には『迦楼羅天』。

インド神話のガルーダを前身とする八部衆、後には二十八部衆となった。

『かるら』の語源はパーリ語で、迦楼羅王とも呼ばれる。

インド神話の神鳥ガルーダが仏教に取り込まれ、仏法守護の神となった。

口から火を吹き、赤い翼を広げると336万里(1344万km)にも達するとされる。

一般的には、鳥頭人身の二臂と四臂があり、龍や蛇を踏みつけている姿の像容もある。

鳥頭人身有翼で、篳篥や横笛を吹く姿もあるという。

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