天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ

（何故ばれたのだろう）

ラエクスは一人首を傾げる。

何故も何も、自らゲロってしまったのだから仕方がない。

ラエクスが苦悩しているのは、何故軍事機密である任務情報を転校初日の自己紹介で早々に喋ってしまったのかという事だ。

軍から送り出される時には、確かに任務情報にはプロテクトがかけられていた。

彼がウォーロイドである事はばれてはならないのだから当然である。

にもかかわらず、自ら情報を喋ってしまうという大失態。

頭部の人工知能を悩ませて、ラエクスが導き出した結論。

（何者かが自分の人工知能にハッキングして、プロテクトを解除した…？）

といっても、ラエクスにかけられていたプロテクトは軍事機密を守る為のトップレベルの高度なものだ。

ハッキングするのは至難の業だった。