天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ

両手をズボンのポケットに突っ込み、ひょろ長い細身の体で直立したまま。

癇に障る薄笑みを浮かべて、穹は自己紹介を始める。

「文野 穹。君と同じ天神学園の3年生…といっても、僕の事を知っている生徒は学園に何人もいないでしょうね。目立たず出過ぎずが僕のモットーですから。趣味はこうしてヘッドフォンを随時着用している事からもお分かりの通り音楽、もっぱら聴く方専門ですがね。そして…」

嘲るような穹の笑みが、より顕著なものとなった。

「ラエクス君…君の大切な人工頭脳にハッキングしてプロテクトを解除した挙句、僕自身の情報だけを抹消した犯人です…こう見えても僕は天才なのでね…」