天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
本来ロボット三原則に則って動くラエクスが、このような暴挙に出るのは有り得ない事だ。

人間への安全性、命令への服従、自己防衛。

このうち『人間への安全性、命令への服従』がある限り、ラエクスは開発者の命令がなければ、相手がどんな極悪人であろうと自分から手出しする事などできない。

優秀でありながら、自分の意思では動けない軍用兵器。

それがウォーロイドとしてのラエクスだった。

…しかし、彼は穹によってプロテクトを解かれ、情報を漏洩され、己の存在意義である任務をも蹂躙された。

人間ならば例外なく憤る場面。

そう、ラエクスは機械でありながら『憤怒』という感情を獲得し、その怒りによってロボット三原則よりも『己のプライド』を優先するよう、自ら人工頭脳を書き換えたのだ。

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