天神学園高等部の奇怪な面々Ⅱ
そんな友人達のやり取りを横目に。

「特に問題のありそうな新入生はいないみたいね」

月は軽く溜息をついた。

「アリスカさんみたいに狙撃銃持ったエージェントもいなければ、アスラ君みたいな半人半神、シー先輩のような人間になれる猫、啓太君みたいな多重人格者もいないし」

コロコロ笑う月。

「そういう月が一番怖いのよ、ど・く・し・ん・じゅ・つ・しゃ!」

アリスカがジト目で睨みながら指差すが、月はどこ吹く風だ。

天神学園の風紀と平穏を預かる生徒会長の月は、その読心能力を以って転校生や新入生全ての『心』を読んでいる。

不穏な事を考えている者や危険な思想の持ち主を未然に押さえる。

それが月と彼女の仲間達の密かな学園での役目だ。

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