Stare starry
信じがたかったが
事実、彼は私の手首をとらえた。
それが何よりの証拠だろう。
信じざるを得ない。


すると、
少年は思い出したように尋ねてきた。

「お名前、聞いてもいいですか?」

「……そっちは?」

「あっ、そうですよね。
僕は、広野朔と言います。
いちおう、高校二年生です」

名乗られれば
答えるしかない。

「未山望。大学一年よ」

「へぇ、大学生なんですか?
あっ、勝手に連れてきてしまって
すみません。
学校もあるのに……」

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