2つの顔
外は雨が上がって空に虹が出ていた「あれ見て」僕は虹を指差した

「あっ、きれい」「虹がかかってる」

「どうやら僕たちの出会いを祝福してくれてるようだ」

「ふふ」「じゃあ今度の雨降りの午後2時で軒先で会いましょう

家に帰ってから宝石をまた作る準備を始めた。

ふと妙な女性だったなと文子のことを思い出していた、どことなく別れた女房に似ていた、懐かしさと切なさに入り混じった気持ちの中作業を続けた。

じゃあ文子さんをテーマに作ってみよう

色々、スケッチにデッサンして5枚ほど描いてみた

ハートの半分とそこにルビーをあしらってみるおそろいのペンダントをハートの半分にアクアマリンそれを僕が持つ

「まだ早いかな」一目ぼれだった、頭からその日は文子のことが離れなかった

4日5日と雨の降らない日が続いた・・・毎日天気予報を聞くのが日課になった

(ばかげてるな、あんな約束って)(からかったのかな彼女は)

その晩少し悔しくなってお酒を飲んだ。

眠たくなって作業所のソファで眠ってしまった

雨音で目が覚めた午前5時だった

「雨だ」(彼女本当にくるだろうか?」[今日の午後あの軒先でだよな」

(今度は傘を持っていこう)この間ずぶぬれだったからな

僕派やっつけ仕事で注文の品を固ずけてデッサンを7枚ほど書き

そして文子に渡すネックレスを作った

気に入ってくれるといいのだが
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