2つの顔
出来上がったネックレスはきれいに包装紙にくるんで

プレゼント用のラッピングをしてみた

(喜んでくれるかな)

これを作るのに6時間かかったんだけど

午後1時30分になった僕は落ち着かずそわそわしていた

雨はやむ気配はない

がらっ玄関の戸をあけた・・ブルーの取っ手が木になっているきれいな色の傘を持って

外に出た

雨音はいっそう激しくなった

(本当に彼女は来るだろうか)(からかわれただけだろうか)

不安な気持ちと期待する気持ちが交差しながら僕は坂を下った

遠くから軒先に誰かいる気配を感じとった

(彼女だ)(からかったんじゃない)(ちゃんと約束を守ってくれたんだ)

僕は駆け出した・・・・・・・・・・・

ビシャビシャ靴の下から雨音が響く

「待った?」「今来たところ」

「どこに行こうか?」「動物園に行きたい」「動物園??」「雨の??」


「雨の日の動物園」「わかったよやっぱり君は少し変わってる」

そういいながら二人は坂を上りだした
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