美神 ~女神との邂逅・そして肉体を抜け出し幽体となった私が最後に鏡の中に見た自分の姿とは・・・
 その外から流れ込んでくる
冷たい風はと言えば

ガラス戸やカーテンを
透り抜けて

私の顔を撫ぜて行くだけでなく、
部屋の隅々まで吹き込んで来ており、

まるで完全にガラス戸が
開け放たれている様な状態でした。


その有り得ない状況に
私は一瞬驚いたまま、

何する訳でもなく
只その異様な成り行きに
任せているだけでした。


 すると二人の人間が
その外気の流れの上に乗り

しかもちょこんと座りながら
ガラス戸とカーテンを透り抜けて

やって来るのが見えたのです。
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