美神 ~女神との邂逅・そして肉体を抜け出し幽体となった私が最後に鏡の中に見た自分の姿とは・・・
 その時の私には、
人と言うものは

その人生に何らかの
大切な目的と言うものを持っており、

その目的の為に
わき目も振らず街の中を急ぐ

人々の姿が非常に不思議に感じられ、
私には私の人生のその目的が

失われてしまった様な
気がしたものです。


また私は楽しげに手を繋いで
歩くカップルも見ました。


人は何故他人と気持ちを通わせことに
喜びや楽しさを見出せるのか、

それが私にはしかと分からず
不思議でならなかったように覚えています。


そのことを常識的に考えるなら、
たぶんその時の私の感覚のほうが

おかしくなっていたのだと思います。
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