長い一日。
「おまえさんそんなに明るい子だったかの?
この前は死んだ魚みたいな目をしていたが…?」

「なんだとぉー!?」

私は怒って大声を出した。

でもやっぱり私はおじいさんにも見えないらしくて気付いてもらえない。

「おじいさん。それはちょっとひどいよぉ。今日は私の誕生日だから気分よかったのにぃ…」

「なんだそんなことかい。はいはいおめでとさん」

いちいちムカつくなぁこのおじいさん

「うんっ!ありがとう」

シイナは笑顔で言った。

シイナはすごいなぁ。

あんなこと言われても平気顔してるなんて…

これにはさすがのおじいさんも驚いたらしい。

「おまえさん変わってるな」

「おじいさんも変わってるよね?かまってほしいくせに相手を遠ざけてる」

えっ?

そうなの?

おじいさんの顔を見ると図星らしい。

「おまえさん何を…?」

おじいさんは困った顔をした。

「私も同じだから。いや、『だった』かな?
私はおじいさんが持っていないもの手に入れたから…」

…シイナ?

どういうこと?

シイナはこのおじいさんに会うのは、初めてのはずなのになんで前から知っているみたいな言い方を…?

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