長い一日。
「奇跡的に回復しています。」

「本当ですか!?おじいさんよかったね!!」

まっさきに反応したシイナはおじいさんを振り返ってみると、おじいさんは腰を抜かしていた。

「おじいさん…。しっかりしてよもぅ」

私が呆れて肩を落とすとおじいさんが小さくつぶやいた。

「二人のおかげだ…」

「はい?」

先生がおじいさんを不思議そうに見つめた。

おじいさんが正気になったのかどうかはわからないけど、身を乗り出して目を輝かせいった。

「二人の天使のおかげなんだ…
わしが助かったのは!」

そういって、シイナの手を握って目に少し涙を浮かべ言った。

「お前さん達はわしの心も救ってくれた。ありがとう…」

私とシイナは目を合わせて笑った。

「おじいさんまたね。元気でね。」

シイナと私は手を振ってその場を離れた。

おじいさんもいつまでも手をふりつづけていた。

そんな私たちを先生だけは不思議そうに見つめていた。



「ねぇ、シイナ?」

「なぁに〜?」

シイナと私は手をつないで院内を歩いている。

「私はお母さんの願いを叶えられているかな?」

シイナは立ち止まり、黙ってしまった。

「シイナ?」


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