長い一日。
「…わかった。
待っててね私行ってくるから」
そう言って私は歩きだした。
━━思生に頼らずにやってみせるよ
少し遠ざかった頃。
思生がなにかを言っていたけどよく聞こえなかった。
「空菜。
あなたは戻ってこれないよ。
だって時の子があなたを連れていってしまうから」
思生がつぶやいた時なにかの雫が落ちた。
その頃私は女の子のところにたどりついた。
「どうして泣いているの?」
「みんなかわらない。何度時を戻しても何もかわらない」
涙を流しているとは思えない声だった。
世界に呆れ世の中を憎むような話し方。
「そんなことないよ。あきらめちゃダメだよ」
私は笑いかけるしかできなかった。
女の子は首を横に振った。
この女の子が『時の子』なんだ。
「何もかわらないから
もう辛い現実を見たくないから
目を捨てちゃった…」
目を…捨て…た?
その言葉に不信感を抱きつつも、冷たい汗が背中をつたっていく。
私は確信した。
時の子が顔を上げる。
怖い。
「ひっ…」
うまく声をだせない。
だって時の子の目がある場所に、真っ黒な闇みたいな穴が開いていたから…
待っててね私行ってくるから」
そう言って私は歩きだした。
━━思生に頼らずにやってみせるよ
少し遠ざかった頃。
思生がなにかを言っていたけどよく聞こえなかった。
「空菜。
あなたは戻ってこれないよ。
だって時の子があなたを連れていってしまうから」
思生がつぶやいた時なにかの雫が落ちた。
その頃私は女の子のところにたどりついた。
「どうして泣いているの?」
「みんなかわらない。何度時を戻しても何もかわらない」
涙を流しているとは思えない声だった。
世界に呆れ世の中を憎むような話し方。
「そんなことないよ。あきらめちゃダメだよ」
私は笑いかけるしかできなかった。
女の子は首を横に振った。
この女の子が『時の子』なんだ。
「何もかわらないから
もう辛い現実を見たくないから
目を捨てちゃった…」
目を…捨て…た?
その言葉に不信感を抱きつつも、冷たい汗が背中をつたっていく。
私は確信した。
時の子が顔を上げる。
怖い。
「ひっ…」
うまく声をだせない。
だって時の子の目がある場所に、真っ黒な闇みたいな穴が開いていたから…