長い一日。
「私、そんなこと知らないし。帰ってよ」

はあぁっ!?

この私がここまで優しく言ってんのになにその言い方!?

何様だと思ってんの!?

「いい加減にしろよッッ!!」

気が付いたら私は『心の私』を殴っていた。

「なにすッ…!?」

「いつまで意地はってんだよ!?本当は寂しくて一人じゃいられないんだろ!!」

『心の私』の闇のように暗い目に光がともる。

あぁ、知ってるさ。

アンタのことなら、嫌ってほど知ってるよ。

ここは前に『私』がいた場所だからね。

「なに言って…?」

私はまだなにか言おうとする『心の私』を抱き締めた。

アンタはただ、感じればいい。

同じ私なんだ。

わかるはずだよ?


< 42 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop