長い一日。

変わる過去

ここはどこ?

さっきの乱暴な女は私に何をしたの?

「アンタ誰ッ!?」

急に後方から声が聞こえた。

真っ白でボロボロな部屋の中で半回転する。

私によく似た泣き顔の髪の長い女の子が私を見つめている。

「…アンタのが誰さ?人に物を聞くときは自分から言うものだよ」

「私は…」

女の子は悩みだす。

まさか、名前がないのか?

急に彼女が気の毒になってきた。

「…もう、いいよ。あんたのことそうだな…シイナって呼ぶから」

「ありがとう。」

答えが見つかってホッとしたのか、シイナが笑った。

「私は、空菜。シイナはなんでこんなとこにいんの?」

シイナはまた悩む。

しばらくするとシイナは今にも泣きそうな顔で言った。

「私には…ここしかないから。」

ここしかない?

こんな荒れていて、悲しみの感情しかない、この場所しかないというの?

しかし私の中の何かが言ってる。

『それは違う。もっと他の場所がある。思生にもっとふさわしいところが…』

思生?

誰それ?

でもどこか知ってる名前。

その名前の由来も。

「ねぇ、知ってる?こんなとこよりももっといいところがあるんだよ」

「そんなの知ってもどうせ私はいけないもん!!」


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