長い一日。
おばあさんと別れて、やっと学校についた。

私の緊張はピークをこえている。

空菜の手を握ると、空菜は優しく握り返して笑ってくれた。

｢大丈夫。｣

うん。

大丈夫だよね。










気が付いた時には皆が私の周りにいたから、不安はなかった。

思生が私の手を握っていてくれたから、私は生きていると自覚できた。

それに今はこうして思生と学校に行けるようになった。

それはとても幸せなこと。

二人で教室に入ると、一人の女の子がどこにも入れてもらえずに悲しそうに教室の端にたっていた。

思生の手を握る。

ぐいっとひっぱられる。

｢行こう？空菜｣

｢うんっ｣

微笑む彼女と一緒に女の子に声をかけた。

｢私達、今日この学校に来たんだけど友達になってくれる？｣

｢ほんと…？本当に私と…友達になってくれるの？｣

女の子は不安そうに私たちの顔を見た。

｢もちろん！なにちゃん？｣

｢夢紅っていうの。｣

夢紅は遠慮がちに言った。

思生は長い髪を耳に掛け微笑む。

私も微笑む。

｢よろしくね夢紅ちゃん｣

夢紅はとてもうれしそうに笑った。

｢うんっ｣

夢紅の笑顔を見たとき、なぜか光に私を押しつけたとき、時の子がつぶやいた言葉を思い出した。

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