甘い時間をください。


自分の頬に手を当てると、熱いこと…。


もしここで悠哉が起きたら恥ずかしくて合わせる顔がない。


あたしはとっさに教室から出ようとして椅子を立ち上がった。


ら…………


「ん…み、さき?」


あたしの左手は悠哉の右手によって強く握られていた。


どうしよう…………。


恥ずかしくて振り向けない。


「…美咲だよな?」


いきなり手を惹かれたあたしは無理矢理、悠哉の方に体を向けられた。


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