甘い時間をください。



悠哉の姿が見えた瞬間にあたしの目の前は真っ暗になった。


それと同じに温かいぬくもり。


―あたし………抱きしめられてるの?



思考も回らず恐る恐る上を向くとそこには悠哉の顔があった。


恥ずかしくて悠哉の胸に顔を埋めたあたし。


そのまま、お互い無言だった。


静まり返った教室はあたしの鼓動で包まれていた。



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