甘い時間をください。
「なぁ、美咲…」
いきなり名前を呼ばれたあたしの肩はびっくりして跳ねた。
でも恥ずかしくてなかなか悠哉の顔を見上げられないあたしは「ん?」と下を見ながら言った。
「…俺の事嫌い?」
「え?なんで?」
いきなり言われた言葉に動揺するあたし。
悠哉は抱きしめていたあたしの肩をゆっくり離すと後ろにあった机に座った。
あたしの方に背中を向けて。
嫌いじゃないよ
好きだよ…
の一言が出てこない。