Nostalgicな祭りのあとで
大樹はこっち、と大人の背丈ほどの岩場をよじ登った。
後に続いた陸は、膝を曲げたまま固まった。

そこに広がっていたのは大量の・・・ゴミの山。

「産業廃棄物の不法投棄」と大樹が呟いた。

谷になった側面に無造作に捨てられたゴミ。

テレビ・冷蔵庫・タイヤ・鉄くず・ドラム缶・・・etc。
妙な液体が滴る容器も転がっていた。

「それ以上近づかないで。注射器も落ちてるし、体に悪いガスも出てるから。」
大樹はTシャツの端をマスク代わりにするよう言った。

「あの上から悪い奴らが捨てるんだ。」

大樹の指した崖の上。
茂みに覆われて見えにくいが、陸はあの林道だと直感した。

軽トラを停めて作業するやまじいと大樹を思い返し、胸の中が苦くなるのを感じた。
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