Nostalgicな祭りのあとで
無言で山を下った。

ふもと近くで、大樹はカバンからペットボトルを取り出した。
「お茶。ぬるいけど。」
「・・・さんきゅ。」

カラカラだった喉に、泡まみれのお茶が流れ込んだ。

「ごめん。もう一箇所、いいかな。」
突然大樹が草むらに向かってく。
ペットボトルの蓋を閉めながら、慌てて後を追った。

ガサササ・・・・

背丈まで伸びた草を掻き分け、大樹の背中を見失わないように歩いてく。

視界がひらけた瞬間、ぶわっと大きな風が二人を包んだ。

今度は何があるのか・・と身構えていた陸は、違う意味で目を奪われた。

そこに広がっていたのは、光と風が踊る美しい光景。
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