Nostalgicな祭りのあとで
渦巻く想い
「あら、もうおしまいかい?お前の好きなハンバーグなのに。」
祖母のキヌが急須の蓋を開けながら、声をあげた。

「どうした、具合悪いのか?」
心配そうに父親が覗きこむ。
「別に。」

箸を置いて席を立つ。

「変な子だねぇ。やっと最近元気になったと思ったのに。」

父親は難しい顔で新聞を畳んだ。
「あいつにはすまないことをしたと思っている。」
眼鏡の奥を翳らせて、重いため息をつく。

キヌは息子の背中をバシンと叩いた。
「お前がしっかりせんでどうするね。・・これから、ゆっくりあの子と一緒に考えればええ。新しい生活が、幸せなもんになるように。ホラ、さっさと食べや。」

父親は、未熟な少年のようにはにかんだ。
幾月経っても、母は偉大だ。
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