Nostalgicな祭りのあとで
「え、い、いいよ。」
「いいから。こっからは急勾配で、」
短い悲鳴に、素早く七菜の腕を掴む。
「下が滑る。悪いな、もうすぐだから。」
七菜はコクッと頷いた。
心臓が騒がしい。
沈黙に堪え兼ねる。
「お前、何でそんな勉強してんの?なりたいもんでもあんのか?」
咄嗟に口に出した話題。
後悔した。
自分が聞き返されても答えられない。
陸は、夢を持ったことがなかった。
遠い未来のことなど、口にしても仕方ない。
ましてや叶うはずのない絵空事を、想像する方がどうかしているとさえ、本気で思っていたから。
「いいから。こっからは急勾配で、」
短い悲鳴に、素早く七菜の腕を掴む。
「下が滑る。悪いな、もうすぐだから。」
七菜はコクッと頷いた。
心臓が騒がしい。
沈黙に堪え兼ねる。
「お前、何でそんな勉強してんの?なりたいもんでもあんのか?」
咄嗟に口に出した話題。
後悔した。
自分が聞き返されても答えられない。
陸は、夢を持ったことがなかった。
遠い未来のことなど、口にしても仕方ない。
ましてや叶うはずのない絵空事を、想像する方がどうかしているとさえ、本気で思っていたから。