Nostalgicな祭りのあとで
目の端に七菜の異常を感じ取って、陸は足を止めた。

剥き出しになったひざ下から、血が滴っていた。
細くて長い引っかき傷。

「針金で切ったのか。」

小刻みに震える細い足を、ハンカチで止血した。

「ゴメン。」
七菜の言葉に、陸は大きくかぶりを振った。

「俺のが、ごめん!無理に連れてきて、巻き込んで・・・怪我まで・・・。」

「あたしは大丈夫。それより、誰かに知らせなくちゃ、こんな・・・。」

背中を預けた木は、大木のまま死んでいた。

「こんな酷いこと、もうさせるもんか。山だけじゃない、町のためにも。」
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