Nostalgicな祭りのあとで
学校の手前に、山へ入るための道がある。

一台通るのがやっとの車道と、その隣の遊歩道。
あちこちに獣道は点在するが、主な道はここだけだ。

遊歩道の前を通る時、陸は少し足早になる。

やっぱり今日もいた。
軍手にタオル鉢巻で黙々と働く二人。

小さなゴミを拾っているのは、同じクラスの山本 大樹。
小学生とは思えないほど体躯がいい。
(もちろん、リーマンと違って贅肉などない。)

大きな粗大ゴミを軽トラに片付けているのはその祖父"やまじい"。
こちらも、老人とは思えないほどがっしりしている。

薄汚れた格好の彼らを見る度、陸は無性に苛々とした。
< 5 / 109 >

この作品をシェア

pagetop