Nostalgicな祭りのあとで
「ちょっといいかな。」
陸は父親の仕事部屋に声を掛けた。

父親は地図をトントンとペンで叩きながらどうした?と聞いた。

「父さんの会社、やまじいの持ち込む奴も処理してるんだよね。ああいうのってお金結構かかるよね。」

父親は怪訝な顔で陸を見た。

「やまじい、毎日不法投棄されたゴミ片付けてるんだ。山と町の皆のために。」
「そうか、偉いな。」
視線が机に戻る。

「違う、いや違わないけど、そうじゃなくて。」

父親がため息混じりに、何かいいかけるのを無理矢理押し込める。

「ちゃんと聞いてよ、このままじゃこの町は終わりなんだよ!あの山がダメになったら、困るのはこの町に住む俺達だ!人事じゃないんだよ、父さん!」

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