Nostalgicな祭りのあとで
「陸、誰から何言われたか知らんが、妙なこと言うな。それに、投棄のことは心配するな、いずれちゃんとなるさ。」

ガシャン!
陸はペン立てを払った。

「いつだってそうなんだ、父さんは俺の話なんか聞かない。もういい!」

「陸!」
父親は陸の腕を掴んだが放した。

机の上のメモ書きを見て、陸は嘲笑った。
「桜を切って処分場を建てるだって?父さんもあのヤクザとグルなのかよっ!」

「おい陸っ!」

陸は自室に飛び込むと、バシンッと襖を閉じた。
言い知れようのない腹立たしさと悔しさが押し寄せてくる。

一人残った父も、立ち尽くしたまま口を結んでいた。

最も近いはずの肉親が、遠く感じた夜。
あらゆるもの達へのカウントが始まった。
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